きものの魅力は何でしょう。ひとつには着た時の「身のこなし」や
「美しいしぐさ」に「キチンとした感じ」を演じて遊ぶ側面だと・・・
僕は思いますが、もう一つはやはり着物そのものの魅力です。
洋服と違い、デザインにあまり違いがないので、
テキスタイル(素材感)や季節感、柄や加工技術に凝ったもの・・・
日本固有の文化と言うと大げさですが、まずは基本的な
インテリジェンスをご紹介しましょう。
「織りのきもの」と「染めのきもの」
先染めの着物・後染めの着物、とも言い、きものを大きく分類する上でも
いちばん基本的な要素です。きものを作る時はまず糸を作り、織って布地(生地)
にしますが、染色をする工程が先か後かでまったく違うものになります。
糸を染めてから織る物を「先染めのきもの」「織りのきもの」といい、これは紬や絣、銘仙、お召し等になります。
それに対して生地を作ってから染めるのが「後染めのきもの」です。
織りのきものは素朴さや暖かみが感じられる「ごわごわ(?)」とした
手触りですが、それに比べて「染めのきもの」はなめらかで、「たれもの」と呼ぶこともあります。
礼装の着物(振袖・留め袖・喪服など)はみな「染めのきもの」です。
ちりめんと白生地
着物を作る行程など、興味ないかも?知れませんが、白生地とはまだ染めていない状態の反物のことです。
お好きな色・柄で染めて着物を作る事ができ、
昔も今も一般的に行われている着物の利点、贅沢なところですね。
(現代は消費社会だけど、数十年前までは、すこし先と後にも関心をむけていたようです。)
白生地から作ったものは「染め直し」して、違う色柄のきものに変えることも出来ます。
そして、生地の性格を決める一番の要素は「織りかた」です。
ちりめん(縮緬)とは、(交互の)糸に<より>をかけて織り上げた生地のこと。
表面に細かいシボができ、肌触りの優しい風合いで広く使われています。
京都の「丹後ちりめん」滋賀の「長浜ちりめん」があります。
友禅染め
「染めのきもの」はできあがった生地に地染めや手書きをして、染めてゆきます。
金沢の「加賀友禅」・京都の「京友禅」は日本を代表する、美しいきものですね。
手書きの精緻な絵柄はまるで一枚の絵画のようです。作風はさまざまありますが、花鳥風月を
モチーフに、染め物の代名詞といわれる華やかさがあります。
江戸の初期に宮崎友禅斎によってはじめられたと言われています。
大島紬
「織りのきもの」といえば、紬ですが、日本各地ではさまざまな紬が作られています。
大島紬(おおしまつむぎ)はその中で最もポピュラーなつむぎ。
九州の鹿児島と奄美大島でつくられます。
独特の絣模様と渋い泥染めが特徴ですが、軽くて非常に丈夫で、つるつるとして光沢のある風合いが
他に類を見ない、分かりやすい違いです。
「織りのきもの」ですから染め直しは出来ませんが、その代わり生地に表裏がなく、
古くて取れない汚れのある着物でも、ひっくり返して仕立て直して、着ることが出来ます。
伝統技術の競演。
すてきな着物を創作することは、永い年月をかけて培われて、日本独自の世界に発展しました。
そのすべてを書き出すことは、とても出来ませんが、主なものを挙げて
「次回以降のコラム」への導入にいたしましょう。すべて「美」への探求心が結実したもの、ですよ!
染め・・・辻が花染め・藍染め・紅型・伊勢型・更紗染め・など
つむぎ・・・紅花紬・結城紬・牛首紬・黄八丈・塩沢・久米島紬・琉球紬・など
技法・・・しぼり・金彩・京刺繍・螺鈿・ろうけつ(染め)・など
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